肘・手・指の痛みについて
手や指は、日常の中で
最も使う部位
小さな痛みも、
早めのケアが大切です
家事やパソコン作業、スマートフォンの操作など、手や指は休むことなく使われています。ふとした動きで痛みを感じたり、物を握るときに違和感をおぼえたりすることはありませんか。使いすぎや加齢による変化で炎症が起こると、腫れやこわばりが続くこともあります。無理をせず、痛みや違和感をおぼえたら早めに休息とケアを心がけましょう。
こんな場合はご相談ください
- 手首や指を動かすと痛みがある
- 家事や仕事で手を酷使している
- 物を握ると肘や手首が痛む
- 朝、指の動きが固く感じる
- 手の指がこわばって動かしにくい
- 手首の腫れや違和感が治らない
- スマホの操作で手がしびれる
- 安静にしても痛みが続いている
代表的な疾患
- テニス肘（上腕骨外側上顆炎）
- 関節リウマチ（手指のこわばり）
- ゴルフ肘（上腕骨内側上顆炎）
- 変形性手指関節症（ヘバーデン結節・ブシャール結節）
- 肘部管症候群
- 母指CM関節症（親指の付け根の痛み）
- 変形性肘関節症
- キーンベック病（月状骨壊死）
- 手根管症候群
- 舟状骨骨折
- ばね指（弾発指）
- マレット指（槌指）
- ドケルバン病（狭窄性腱鞘炎）
- デュピュイトラン拘縮
- 腱鞘炎
- 橈骨遠位端骨折（手首の骨折）
- ガングリオン（手首のしこり）
- TFCC損傷（三角線維軟骨複合体損傷）
- 突き指
- 手・指の神経障害（末梢神経障害）
主な疾患
リウマチ
関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、こわばりが続く病気です。手や指の小さな関節から始まることが多く、進行すると変形を伴う場合もあります。早期に治療を行うことで、関節の破壊を防ぎ、痛みを軽減できます。
手根管症候群
手首の中を通る神経が圧迫され、親指から薬指にかけてしびれや痛みが生じる病気です。夜間や朝方に症状が強く出るのが特徴で、進行すると指の動きが悪くなることもあります。手首の使いすぎや加齢が原因です。
腱鞘炎
指や手首の腱を包む「腱鞘」に炎症が起こり、動かすと痛みや引っかかりを感じます。スマートフォン操作や家事、パソコン作業などの繰り返し動作が原因で、特に女性に多く見られます。安静と治療で改善が期待できます。
へバーデン結節
指の第1関節（爪に近い関節）が変形し、腫れや痛みを伴う病気です。加齢やホルモンバランスの変化が関係しており、女性に多く見られます。関節が赤く腫れたり、曲がったりするのが特徴で、慢性的な痛みが続くこともあります。
ばね指
指を曲げ伸ばしするときに引っかかるような動きや痛みが出る病気です。腱が通るトンネル部分が狭くなり、炎症が起こることで発症します。朝に症状が強く、悪化すると指が動かなくなることもあります。
ガングリオン
手首や指の関節まわりに、ゼリー状の液体がたまってできる良性のしこりです。大きくなると神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。自然に小さくなる場合もありますが、再発することもあります。
突き指
スポーツや転倒などで指の関節に強い力がかかり、靭帯や腱を痛めるけがです。軽いものは安静で改善しますが、骨折や腱の断裂を伴うこともあるため、痛みや腫れが強い場合は早めの受診が必要です。
母指CM関節症
親指の付け根の関節（CM関節）がすり減り、物をつまむ・握る動作で痛みが出る病気です。特に中年以降の女性に多く、関節が腫れたり、親指の力が入りにくくなったりします。進行を防ぐためには早期治療が重要です。
野球肘
ボールを投げる動作を繰り返すことで肘に負担がかかり、関節や靭帯に炎症が起こるスポーツ障害です。成長期の子どもに多く見られ、放置すると肘の変形や動きの制限につながることがあります。安静と適切な治療が必要です。
テニス肘
正式には「上腕骨外側上顆炎」といい、肘の外側の腱に炎症が起こる病気です。ラケットを使う動作や重い物を持つ動作で痛みが強くなります。中年以降のかたに多く、手首や肘の使いすぎが主な原因とされています。
よくあるご質問
手や指の痛みは、どのタイミングで受診すればよいですか？
家事や仕事で手をよく使うかたは、違和感を放置してしまうことが多いですが、痛みや腫れが数日続く場合は早めの受診をおすすめします。炎症や神経の圧迫など、早期に治療すれば改善が期待できる症状も少なくありません。
どんな治療を行いますか？
症状の原因や程度に応じて、安静・装具療法・薬物療法・注射療法・リハビリなどを組み合わせて行います。エコーやレントゲンで原因を確認し、必要に応じて神経や筋膜への注射を行うこともあります。日常動作のアドバイスも大切です。
日常生活で気をつけることはありますか？
手や肘は休む時間が少ないため、負担をためこまないことが大切です。無理な力で握ったり、同じ動作を繰り返したりしないよう注意しましょう。温めて血流を良くすることも予防につながります。痛みが出たら早めの休息を。